人面「椰子実」、鼻やひげも 奈良・正倉院の宝物
2010年4月22日0時9分
聖武天皇(701~756)の遺愛品などを納めた奈良・正倉院の宝物のひとつで、人の顔のような文様のある「椰子実(やしのみ)」(直径11.8センチ、重さ170グラム)に鼻やひげも描かれていたことがわかった。宮内庁正倉院事務所が21日に発表した。「椰子実」はココヤシの殻を利用した容器。芽が出る穴を口、子房(しぼう)(めしべの膨らみ)跡2カ所を目に見立て、眉や瞳を描き加えている。
同事務所が蛍光X線や赤外線で調べたところ、両目の間に鼻が墨書きされ、口の両脇にひげらしい墨線があった。表面全体から水銀が検出され、赤色顔料の水 銀朱が塗られていた可能性もある。底部には「是」「白」「目」と読める、墨で書かれた3文字もあったが、意味は不明という。
同事務所は「ココヤシは南方産でも、加工は中国か日本の可能性がある」としている。(編集委員・小滝ちひろ)
「椰子実」の赤外線写真=宮内庁正倉院事務所提供
椰子実の図
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